「更新前後のデータ、どこが変わったか分からない…」「2つのリストを見比べて違いを探すのが大変…」そんな悩みを抱えていませんか?Googleスプレッドシートで2つのシートやブック(ファイル)のデータを比較するのは、手作業だと時間がかかり、ミスも起こりがちです。もっと効率的に、正確に差分を見つけたいですよね。
この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、Googleスプレッドシートで2つのシートやブックを比較する具体的な方法を、初心者にも分かりやすく解説します。関数を使った基本的な方法から、アドオンを活用した便利なテクニックまで、あなたのスキルレベルに合わせて選べるように紹介。この記事を読めば、面倒なデータ比較作業から解放され、業務効率が大幅に向上するはずです。さあ、あなたに最適な比較方法を見つけて、スマートにデータを管理しましょう。
なぜスプレッドシートの比較が必要?よくあるシーン
まず、どのような場面でシートの比較が必要になるのか、具体的なシーンを見てみましょう。ご自身の作業と照らし合わせることで、これから紹介する方法の活用イメージが湧きやすくなります。
- 更新前後の差分チェック:顧客リストや商品マスタなど、更新前と後で変更された箇所(追加、削除、変更)を特定したい。
- 2つのリストの突合:イベント申込者リストと会員リストを照らし合わせ、どちらか一方にしか存在しない人を確認したい。
- 重複データの洗い出し:別々のシートに入力されたデータの中から、重複している項目を見つけ出したい。
- データの一致確認:提出されたレポートの数値が、元のデータと完全に一致しているかを確認したい。
これらの作業を手作業で行うと、時間もかかり見落としのリスクも高まります。関数やツールを使えば、これらの比較を素早く、正確に行うことが可能です。
【基本編】関数を使って2つのシートを比較する方法
まずは、Googleスプレッドシートに標準で備わっている「関数」を使った比較方法です。特別なツールのインストールは不要で、すぐに試せます。
方法1:COUNTIF関数で「ない」データを見つける
片方のシートには存在するが、もう片方のシートには存在しないデータを見つけるのに便利なのがCOUNTIF関数です。比較元のシートに作業列を追加して使います。
- 手順:比較したいシート(例:シート1)の空いている列に、
=COUNTIF(比較対象シート名!A:A, A1)
と入力します。 - 解説:これは「シート1のA1セルの値が、比較対象シートのA列にいくつ存在するか」を数える数式です。結果が「0」なら、そのデータは比較対象シートに存在しないことを意味します。
- 応用:「条件付き書式」と組み合わせることで、結果が「0」のセルを自動的に色付けし、視覚的に分かりやすくすることも可能です。
方法2:VLOOKUP関数でデータの一致・不一致を確認する
VLOOKUP関数は、指定した値をキーにして、対応するデータを別の表から探してくる関数ですが、比較にも応用できます。データが存在しない場合にエラー(#N/A)が返される性質を利用します。
- 手順:作業列に
=VLOOKUP(A1, 比較対象シート名!A:B, 2, FALSE)
のように入力します。 - 解説:データが存在すれば対応する値が、存在しなければ「#N/A」というエラーが表示されます。IFERROR関数と組み合わせ、
=IFERROR(VLOOKUP(…), "不一致")
のようにすれば、エラーの代わりに任意の文字を表示できます。
【応用編】異なるブック(ファイル)のシートを比較する方法
比較したいシートが別のスプレッドシートファイル(ブック)にある場合は、データを一度読み込んでくる必要があります。そこで活躍するのがIMPORTRANGE関数です。
IMPORTRANGE関数で別ブックのデータを読み込む
- 手順1:新しいシートを作成し、
=IMPORTRANGE("別ブックのURL", "シート名!範囲")
を入力します。 - 手順2:初回は「#REF!」エラーが表示されるので、セルにカーソルを合わせ「アクセスを許可」ボタンをクリックします。
- 手順3:別ブックのデータが読み込まれたら、そのシートに対して【基本編】で紹介したCOUNTIF関数やVLOOKUP関数を使い、ブック内のシートと同じように比較作業を行います。
この方法を使えば、ファイルが分かれていても簡単に見比べることができます。
【効率化編】アドオンを使ってクリック操作で比較する
「関数は少し苦手…」という方には、アドオン(拡張機能)の利用がおすすめです。メニューから選んでいくだけで、高度な比較を自動で行ってくれます。
おすすめアドオン「Compare Sheets」
- インストール:メニューの「拡張機能」から「アドオン」→「アドオンを取得」を選び、「Compare Sheets」を検索してインストールします。
- 使い方:拡張機能メニューから「Compare Sheets」を起動し、比較したい2つのシートを選択。比較条件(重複、値の違いなど)を選んで実行するだけで、新しいシートに差分がハイライト表示された結果が自動で作成されます。
- メリット:直感的な操作で、関数を知らなくても高度な比較ができる点が最大の魅力です。
まとめ:最適な比較方法を見つけて作業を効率化しよう!
この記事では、Googleスプレッドシートで2つのシートやブックを比較する方法を、3つのレベルに分けてご紹介しました。
- 手軽に始めたいなら:COUNTIF関数やVLOOKUP関数を使った方法。
- ファイルが分かれているなら:IMPORTRANGE関数でデータを読み込んでから比較。
- 関数が苦手な方、もっと楽したいなら:「Compare Sheets」などのアドオンを活用。
手作業での目視チェックは、時間と労力がかかるだけでなく、ミスの元です。 まずは簡単なCOUNTIF関数から試してみて、ご自身の作業内容やスキルに合わせて最適な方法を選んでみてください。これらのテクニックを身につければ、データ比較の作業効率が劇的に向上し、より重要度の高い業務に時間を使えるようになるはずです。この記事が、あなたの「スプレッドシート比較」の悩みを解決する一助となれば幸いです。